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【第1弾】「意志力」はどこにいった!なぜ人は諦め感に支配され目標を手放すのかー

今、人は自らの価値を高めることに目覚めている。「このままではいけない、、」というよりも

AIやDXが押し寄せてくる中、自身も新しいパラダイムシフトを目指す。社会も企業も想像を

遥かに超える難題に直面しても変革出来るイノベーション人材を渇望し、人材育成を支援する。

 只、現実はどうか、本人の取組み意欲が続かない、、中々、ゴールまで到達しない、、、、

つまり自己価値を高める努力が長続きしないのだ。従来から”意志が弱い”と精神論で片づけられ

た部分を科学的に検証し、個々の意志の力を最大に引き出すための要因や方策を考えたい。

そもそも”意志”の存在を感じ取っているか?

●誰にもやって来る”獏”とした不安
ビジネスパーソンを悩ますマンネリ感は日常的に誰にもやってくる。特に30歳前後に
幾度となく考え込むのが仕事への適性と将来への漠然とした不安(exこのままで自分も
会社も上昇出来るのか)は最たるものではないか‥この種の閉塞感が覆い始めると、
すること、なすことが何か面倒くさく、好奇心や人への関心が次第に遠のいていく、、

●”意志”に注目し、分析・研究した学者がいた!
しかし、どうであろうー漠然とした長いトンネルがあろうとうとも、多くのビジネス
パースンはどこかでギアチェンジし、再び顔を上げ、歩みはじめるーなぜ、方向転換
できたのか、人にどんな力が働いたのか不思議だ‥‥後でさまざま理屈をつけるが、
今一つ説明がつかない。そんな人の内界に潜在する力に着目し、分析・研究した心理
学者がいた、ロベルト・アサジョーリだ。(精神統合理論、1888~1974、イタリア)
彼はこの時働き出す力こそ”意志”であると説く。

●”意志”が舵取り的な指揮を振っている
意志はあらゆる行為のバランスを取りつつ、建設的に働き掛け、調整し、物事を方向
づける機能を持つと彼は概念づけた。つまり、人はいかなる状況下にいても自身にと
って最適な行動を取ろうと働く力(=意志)があり、自身(主体)はこの意志を巧みに活
用し、熟慮・収束させ、方向づけていく、いわば、舟の舵取り的な指揮を振っている
のが意志であると言う。

 よって、自身(主体)が意志の存在に気づき、意志を意識的に働かせていくための
訓練が最も重要で”意志の弱さ”は、いわばトレーニング不足でしかないと彼は結論づ
けている。(ロベルト・アサジョーリ著書:「意志のはたらき」誠信書房より)

■3つの意志 ~意志は訓練で本当に強化できるか~  

人には大きく”3つの意志”があるとアサジョーリは説く。とかく意志は”強い弱い”のみが
話題の中心になりがちだが、状況やタイミングにより3つの意志を上手く活用することで
エネルギーが集約され、状況が大きく動き出すと言う。

Ⅰ、強い意志   ひとつの事をやり続ける、決めたことを必ず実行する、困難に打ち勝
         っていく等、主に何かを継続していく時に発揮される意志。
          (例:やり続ける、頑張る、挑戦する、粘り強さ、信念等)

Ⅱ、巧みな意志  状況に合わせて物事を上手くやり遂げていく、効率、能率、創意工夫
         を考えるなど、主に熟慮するときに発揮される意志。  
          (例:計画性、臨機応変、柔軟性、創意工夫、状況タイミング等)

Ⅲ、善い意志   強い意志や巧みな意志とは異なり、その人が持つ善なる心から発揮さ
         れる意志。(例:思いやり、気遣い、配慮、協調、支援、貢献 等)

3つの意志はバラバラに影響し合う存在ではなく、いかに効果的に機能させていくかが重要
である。それはオーケストラを機能させ、最高の曲に到達させていく指揮者のようなものー
この3つの意志を効果的に機能させていくには4つのプロセスが基軸となる。

では次に効果的なプロセスの4ステップに進みたい。
      

■意志強化への4つのステップ  

第ⅠSTEP 想いの発生:
     こうなりたい・こうしたいという想いの強さ、深さがあればあるほど自分の中に
     具体的なイメージ(目標物)を描き、実現しようとする意志が働く。想いの発生
     は目標に対する欲求、動機、価値の強さをどのくらい感じるかというもの。
     キーワードはー動機づいている・欲求の充足・価値を感じている。

第2STEP 熟 慮:  
     想いをどのようにしたら実現できか考える段階が熟慮段階。この段階では自身の
     考えを整理する、可能性や効果などを検討し、色々な人からアドバイスを受ける
     など、さまざまな視点から物事を吟味する段階である。

第3STEP 決断と公言:
     自身が「よし、やるぞ!」と腹をくくると共に、周囲に自己宣言をすることで、
     周りの人達に行動する意義と決心を公言する段階。

第4STEP 実 行:  
     決断と確信をしたことを実際に実行する段階。進捗状況をしっかりと管理し、ビ
     ジョンに向かい成し遂げるべく努力する段階。 

■3つの意志と4つのステップの関係

●らせん階段をゆっくりと昇るがごとし―
ゴールに向かうには強い意志だけでは なく、高い壁や困難に対処していく巧みな意志がとて
も重要である。又公言することによって、時には周囲の力を取込め、それが解を引き寄せる。
その土台にあるのは想いの発生―どのくらい自身に深く動機付いているか、それを具現化さ
せる力は掘り下げ尽くした熟慮だ――
つまり3つの意志と4つのステップは相互に大きく、深く相関し、表裏一体なのである。

3つの意志を意識し、4つのステップをまるで竜巻のようにゆっくり、段々と加速させなが
らグルグル回していくことで意志が自ずと強化されていく。

●アサジョーリの教え―
「意志は時に試され、未熟さを突きつけられ、洗練され、浄化され、次第に強化されていく。
そのプロセスの中で自己の価値充足のために自らの意志を方向づけることを学んでいく」




「意志力開発メソッド」とは何か?
 ~”意志”開発のさらなる具現化と活用展開に向けて~

●長年、持ち続けた課題
企業の教育研修に30年携わってきた中で思うことがある。様々な研修やスキル習得
の最後に決まって課せられる行動目標や自己啓発計画が、本人の取組み意欲はあろ
うとも、中々、あるべき姿に辿り着けないケースを数多く見て来た。到達への取組
みは個々のやり方に依存され、”客観視”という日が当たらないのだ、、、ここを何
とか出来ないか、どこで多くの人がつまずくのか、、、長年、悶々としてきた。

●らせんサイクルを見える化するー
ある時出会った著書「意志のはたらき」(ロベルト・アサジョーリ)によって、扉
が開いた。意志を概念づけ、技法プロセスを体系化させた彼の世界観を基軸ベース
に教育研修コンテンツとして構想、開発。目標を見据えた時、各人のどこが不足点
で何を強化すべきかをチェックシートによる診断化で、達成に向けた着眼点と対策
ポイントを自身が明確に捉えることだ。そのことでエネルギィーを集約、その集約
化がさらなる意志の力を引き出すという、いわば”らせんサイクル”をゆっくり加速
させながら、回していくためのサポートを目指した。

●さまざまな活用展開を!
「意志力開発メソッド」は研修後のフォローアッププログラムとしてメイン研修に
セットアップする、MBOを推進する管理者へ部下指導ツールとしての着眼、オン
ライン環境下でEラーニングに励む個々人へ目標に向けたフォローツールとしての
活用等、さまざま考えられる。

各人が目標ゴールに近づく悦びを自らが実感することで、目標に対する想いを手放
さない自律型ビジネスパーソンを育成していきたい。
「本メッソド」へのご質問・ご関心等は私共のHPよりお問い合わせ下さい。いつで
も詳しくご説明させて頂きます。

ま と め

●”意志”を学問として導入ー
人をビジョンや目標に向かわせるエネルギィーの源は、自らがやりたいと強く願った
感情(想いの発生)と意志である。特に意志は空を掴むような深い領域でしかも難解過
ぎるため、誰も手を付けてこなかったと思い込んでいたが、そうではなかったのだ、、、

 20世紀半ば、アサジョーリはフロイト、ユング、マズローの3大心理学理論を睨みつ
つ、独自の精神統合理論を確立した。彼は人間の精神的進化に不可欠な”意志”に着目し、
真正面から向き合い、掘り下げ、体系化するなど、心理学の分野に開拓的な役割を果
たし、現代心理学への導入という道を拓いたのである。
ロベルト・アサジョーリの真理の探究に心からの敬意を表したい。
 
●相反なれど同根ー鍵は”意志”
人の成長欲求はマグマ的で枯渇することはない。只、それに伴う壁や困難も己の中に宿
っている。この2つは相反に見えるが、根底は同じで、その動因を左右するのは紛れも
なく”意志”なのである。

さあー意志強化への”らせんサイクル”をゆっくりとでも回していくことで、あなたの可
能性をさらに拡げて頂きたい。
(Ⓒ なかざきみねこ)