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【前編】雑談は『吊り橋』と捉えろ! 話下手な管理者に”雑談橋”への着眼点とその渡り方

チームメンバーとの談笑

「部下と仕事の話はするが、雑談は苦手、空振りした時の沈黙が嫌」「初対面時は名刺交換しても次の会話が出てこない」「何を話せばよいのかよく分からないし、どちらかと言うと人の内面に近づきたくない」という若い管理者が意外と多い。対人対応に苦手意識が抜けないまま、管理者に抜擢されたのだ、、只、組織は人の集合体である限り、どうにも人間関係から逃げられない。ましてやチームや課を束ねる管理者はなおさらである。管理者は部下にもっと関心を持ち、人間の心理や感情に賢くなる、つまり人に強くなる必要がある。そこで今回は若手管理者を念頭に”雑談力”をテーマに前編と後編の2回に分けて掘り下げたい。前編は「なぜ、管理者は”雑談橋”を渡り、人との距離感を縮める必要があるのか?」を中心に雑談の重要性と着眼ポイント、後編は実際の橋の渡り方あれこれを解説したい。対人対応へのツールの一つとしての雑談力を改めて認識し、管理者としてのマネジメント幅を拡げて頂きたい。

なぜ、管理者は”雑談橋”を渡り、人との距離感を縮める必要性があるのか?

心の距離感
組織にはさまざまな人材が仕事をしている。スムーズにコミュニケーションが取れ、波長が合う人ばかりではないはずだ。指摘事項に対しイラっやカチンがすぐさま表情に出る中堅部下、”空気を読む”ことに過剰に神経を使う若者がいる一方、抜擢された若い管理者にお手並み拝見とばかりに距離感を置くベテラン年上部下もいる。管理者の役割はこの個性的な部下達を含んで、彼らの仕事力を結集し、チームや課の仕事成果を捻り出し続けていくことにある。それには相手のパーソナリティをよく観察し、どんな価値観や強み・持味を持つ人材なのかを仕事振りや日頃のコミュニケーションを通じて掴んで行くことだ。そのためにはメンバーとの距離感をそこそこ近くしていく必要がある。この近くしていく手段の一つが雑談力だ。

醸成させたいのは「協働する力」だ!

部下との距離を徐々に縮めていく働き掛けは、部下にとって最初は、”あれ、なんで?”と思うかもしれない、、だがそれほど悪い気はしない、、人は自分に気を遣ってくれる人をむげにはせず、そこそこ受入れようとするもの、、まずは短めの雑談からはじめ、その場の空気や部下の表情を汲み取り、次につなげて行くことだ。この積み重ねの中で部下との関係性が出来てくる。
                                                                  
その上でチームや課の力を結集するには、メンバー間の”協働する力”をいかに醸成するかにかかる。管理者がチームや課の進むべき目的・目標を明確に提示し、その方向性に向け、個々の強み・持ち味をメンバー相互で引き出し、活用しながら、解決への行動が取れることである。
つまり、いつまでも管理者が中心に動くのではなく、能力・意欲ある人材が問題・課題テーマに応じて入れ替わり立ち代わり主導し、メンバーの意見を引き出しながら、解への道が拓かれる組織を目指したい。

雑談力3つの着眼ポイント

1.すでに前述で申しているが、雑談を”吊り橋”と捉え、イメージして頂きたい。橋を渡る
  のは最初は2割でよい、はじめからグイグイ行かない。部下との交流感触を掴みながら
  まずは土台づくりだ。さらに渡り進めても5割、半分に留めること、7割の渡りは行き過
  ぎか。つまり遠くもなく、近くもなく、管理者としてのバランス感覚が大切。 
  
2.人は一度評価を下すと、変えようとしない。しかしながら人は環境やきっかけ次第で想定
  を超えて変化していく。その変化をいち早くキャッチする手段として、雑談力を駆使した
  い。雑談橋土台が出来てくれば、段々と相手の心の内も見えて来るもの、、、

3.雑談は長くならない、サラリの引き際に知性が出る。大阪・京都の町人文化に見事な返し
  の引き際あり、学ぶところ多しー
  ex. 「もうかりまっか~」「まあ、ボチボチでっせ、ほなさいなら」
    「どちらにいかはりますの?」「ちょっと、そこまで」「さよかーよろしいなぁ、、
     ほな又」



前編のまとめ

さて、雑談の本質はどこにあるのだろうか?諸説、多くの方々が数々述べているが、”何かあった時に本音で話せる関係構築”にあると私は考える。それには、日頃の関係性がものを言うので、日々、継続すること、そして相手が”心地よい”と思ってもらえるアプローチが出来るかどうかだ。理想は、お互いが、まるでダンスでもするかのような会話(ちょっぴり緊張、でも何か楽しい)が出来るようになれば金メダルものですね、、職場に限らず、場を積み重ねて腕を上げ、雑談の達人の域を目指して頂きたい。後編はさらに具体的な橋の渡り方スキルを解説していますので、参考になれば嬉し!
(Ⓒ なかざきみねこ)